初心者の方にとってロードバイクについて分からないことだらけだと思います。
実際私もそうで、自宅から遠い自転車屋さんで買ったので気軽に足を運ぶわけにもいかず、自分で調べることがほとんどでした。
そこで初心者の方向けによりサイクリングを楽しんでもらいたく、ロードバイクの各部名称を解説していきます。
今回は後編で、以下の項目を解説していきます。
今回解説する内容
- 駆動系部品の各部名称
- ホイール関係の各部名称
- 制動系部品の各部名称
駆動系部品
ペダル
足で踏み、クランクを回すための部品です。
一般的には平たい形状の『フラットペダル』が使われていますが、スポーツ自転車にはより効率的にペダリングするために『ビンディングペダル』も使われることが多いです。
ビンディングペダルはペダルとシューズを固定することができ、踏むときと引き上げるときにクランクを回すことができるようになります。
クランク
左右のペダルがついている棒状の部品です。
左右のクランクはつながっており、右側のクランクはチェーンリングとセットになっています。
カスタムの一つとして、クランクの長さを変えることもでき、自分に合ったポジションにできます。
チェーンリング
右側のクランクとセットになっている、ギア状のリングです。
コンポーネントによってギアの歯数が違い、変速性能に影響が出る部品です。
チェーンリングの歯は使用していくと摩耗し、歯の先端がとがってきます。
摩耗を抑えるために、チェーン・チェーンリングを適切に清掃注油しましょう。
チェーン
金属製の鎖のことで、ペダルから得た力を後輪に伝える役割があります。
チェーンは走行していると汚れやすい部品ですので、寿命を延ばすために500㎞前後の間隔で清掃注油しましょう。
スプロケット
後輪に取り付けられているギアのことです。
複数のギアをセットにして組付けられており、取り外しができるスプロケットのセットを『カセットスプロケット』と言います。
チェーンリング同様、コンポーネントによってギアの歯数が違い、変速性能に影響が出る部品です。
フロントディレイラー
チェーンリングが2枚以上である場合に取り付けられている部品で、前側の変速装置です。
フロントディレイラーは左側のレバーで操作します。
リアディレイラー
スプロケットのギアの切り替えを行う、後ろ側の変速装置です。
リアディレイラーは右側のレバーで操作します。
リアディレイラーにはプーリーと言われるものがあり、以下の2つです。
・ガイドプーリー
ガイドプーリーは、チェーンの流れ方を決める歯車です。
変速したときにガイドプーリーの位置が、変速先のスプロケットの歯車に合うようになっています。
シフトワイヤーの伸びやディレイラーハンガーのゆがみなどにより、ガイドプーリーの位置が変わると変速しずらくなります。
・テンションプーリー
チェーンにかかるテンションを一定にする役割があり、チェーンの脱落や揺れを防いでくれます。
特にチェーンリング・スプロケットの軽いギアは小さいギアですので、それを選択していると、チェーンが余ってきます。
テンションプーリーはそのチェーンの余りを吸収してくれて、効果を発揮します。
シフトワイヤー
レバーをディレイラーをつなぐ金属製の線です。
細い金属の線が束ねられて伸びにくいようになっていますが、新品や長期間の使用により伸びが発生します。
新品の場合は再調整で済みますが、長期間の使用による伸びは交換になります。
ディレイラーハンガー
リアエンドにリアディレイラーを取り付けるための部品です。
ディレイラーハンガーはフレームや保護するために少し曲がりやすくなっています。
落車などによりリアディレイラーに衝撃が加わった場合に変速がしずらくなったときは、ディレイラーハンガーが曲がっている可能性があります。
コンポーネント
ブレーキ系部品・駆動系部品など自転車の主要パーツのまとまりのことです。
シマノにはロードバイク用コンポーネントとMTB用コンポーネントがあります。
さらにそれぞれにグレードがあり、ロードバイク用コンポーネントにはデュラエース・アルテグラ・105などがあります。
ホイール関係
タイヤ・チューブ
ホイールに取り付けられている、ゴム製の部品です。
・タイヤ
タイヤは地面をグリップさせて駆動力を伝える役割があります。
メーカーによってグリップ性能・軽さ性能・耐パンク性能に違いがあり、いろいろ試してみるのも楽しいと思います。
・チューブ
チューブはホイールとタイヤの間にある風船状のものです。
空気圧はタイヤの接地面積・接地圧・乗り心地に影響し、低すぎるとパンクしやすくなるため、走行前に確認したい項目です。
バルブ・バルブコア
・バルブ
チューブに空気を入れるための部品です。
バルブには種類があり、
- 英式バルブ
- 仏式バルブ
- 米式バルブ
があります。
英式バルブはシティサイクルに採用されており、クロスバイクやロードバイクは仏式バルブが採用されています。
米式バルブはマウンテンバイクなどで採用されており、自動車やオートバイなどと同じ構造です。
3種類とも形状が違うので、それぞれ専用の口金を使って空気を入れることになります。
・バルブコア
バルブの中にある、空気を出し入れさせる弁の役割がある部品です。
空気を入れる際は英式は何もする必要はないですが、仏式は先端の頭を緩める必要があります。
・バルブキャップ
その名の通り、バルブのキャップです。
バルブの先端を保護する役割があります。
スポーク
車輪のリムと中心にあるハブをつなぐ、金属の線です。
メーカーによってさまざまなデザインのスポークがあり、見た目が大きく変わるために自転車の雰囲気をガラッと変えることができます。
ニップル
ホイール側からスポークを締め付けて固定するための部品です。
軽量化のために交換することも可能です。
ハブ
ホイールの中心にある、スポークにつながっている回転軸のことです。
中にベアリングがあり、スムーズに回転するようになっています。
スルーアクスル
ホイールとハブ軸を固定するための方式のひとつです。
スルーアクスルはディスクブレーキ車での採用が多く、太い軸で固定するために剛性が高いです。
クイックリリース
こちらもホイールとハブ軸を固定するための方式のひとつです。
フレームのエンドは切り欠きになっており、固定しているレバーを緩めると簡単にホイールが外せるようになっています。
制動系部品
リムブレーキ
・Vブレーキ
リムブレーキの中ででもっとも制動力が大きく、正面から見てアームが逆ハの字になってVに見えることからVブレーキと言われています。
最近はディスクブレーキモデルが多いマウンテンバイクですが、部品点数が少なく、メンテナンス性が高いために今でも使われています。
・キャリパーブレーキ
リムブレーキの一種でロードバイクに用いられることが多い形式です。
キャリパーブレーキも部品点数が少ないことでメンテナンス性が高く、制動力も十分にあります。
ディスクブレーキ
最近多いディスクブレーキですがメリットとして、制動部が地面から離れていることもあり、地面の影響を受けずに安定した制動力が発揮できます。
作動方式は油圧式が多く、これは小さな力でも高い制動力を出すことができます。
またリムブレーキはホイールリムを挟み込むので少なからずリムにダメージがありますが、ディスクブレーキはローターにのみダメージがあります。
・ブレーキキャリパー
ブレーキパッドを保持し、ブレーキローターを挟み込む役割があります。
作動方式は油圧式が多いですが、ワイヤー式もあります。
・ブレーキローター
ホイール中央にある金属製の円盤のことです。
ホイールに固定されており、ブレーキローターを挟み込むことによってブレーキを掛けます。
消耗品であり、摩耗してくると交換しなければいけないパーツです。
・ブレーキパッド
ブレーキキャリパーの中にあり、ローターを両側から挟み込むようにセットされている摩擦材です。
ローター同様、消耗品ですので、摩擦材が減ってくると交換が必要です。
まとめ
今回は駆動系・制動系・ホイール関係の各部品について解説してきました。
部品について覚えると意識するため、自転車について注意が向きます。
これによりトラブルを未然に防いだり、部品の消耗具合が分かるようになってきます。
初心者の方がロードバイクを長く楽しんでもらうための参考になればと思います。