
ロードバイク初心者の方は前後に変速装置が付いているために、どのギアの組み合わせがいいのか混乱したことはあるのではないでしょうか?


ギアの組み合わせを間違えるとスムーズに加速できないのはもちろんのこと、駆動系部品の寿命も縮まってしまいます。
楽しく、自転車に優しいサイクリングのために、今回はロードバイク初心者の方向けにギアの組み合わせ方法を解説してきます。
フロントのギアについて知ろう

フロントに2枚か3枚のギアが組み合わされている場合、ディレイラーで変速することができます。
フレーム寄りの小さめのギアは『インナーギア』、外側の大き目のギアは『アウターギア』と呼ばれます。
それぞれ言い換えると、インナーギアは『軽いギア』、アウターギアは『重いギア』になります。
スピードが出てくるとアウターギアに切り替えますが、アウターギアに切り替えると、急に重くなります。
スピードが十分に出ない限りアウターギアを使わなくてもいけるので、初心者の方は最初はインナーギア固定にして、ロードバイクに慣れるといいと思います。
リアのギアについて知ろう

後輪の中央にギアの複数枚重なったものがあります。
これは『スプロケット(スプロケ)』と呼ばれるものです。
リアディレイラーによってチェーンの位置を切り替え、スプロケのギアを選択していきます。
リアの変速は切り替えても急に重くならず、スムーズに加速することができます。
変速の流れとして、基本的にリアの変速を使って加速し、さらに加速することが予測されるときはリアのトップギアまで入れず、フロントのアウターギアに切り替えていきます。
後述しますが、チェーンのたすき掛けは避けて、今どこにチェーンがかかっているか想像しながら走ると、感覚で分かるようになります。
シフトレバーの操作方法について
当ブログの別記事でシフトレバーの操作方法を解説しています。
ぜひご覧ください。
ギアチェンジで重要なこと
ギアの変速は乗り手のパワーがどれだけ効率よく駆動力として伝えられるかが重要です。
そのために以下のことを踏まえてギアを選択していくべきです。
ギアチェンジで重要なこと
- 極端なチェーンの斜め走りを避ける
- ケイデンスを一定にする
極端なチェーンの斜め走りを避ける
まずひとつ目について、駆動力はペダルを踏んでクランクを回し、チェーンを介し後輪へと伝えられます。
踏んだ力が100%駆動力になればいいのですが、部品の摩擦や抵抗で必ずロスします。
ギアチェンジを怠ってチェーンが斜めに走ったりするとさらにパワーロスし、スピードの乗りが悪くなり、疲れやすくなります。
チェーンは斜めに走れるようになってますが、まっすぐの状態が抵抗が最も少ないです。
極端なチェーンの斜め走り、とくにたすき掛けは避けるようにしましょう。
ケイデンスを一定にする
ケイデンスとは、1分間あたりに回るクランクの回転数になります。
ケイデンスが遅くなったり速くなったりすると、一定のペースで漕げていないということなので、効率のいい走り方ができていません。
個人差はありますが、最適なケイデンスは80~90rpmになります。
路面状況やスピードに応じてギアチェンジを行い、ケイデンスを一定に保つようにしましょう。
シチュエーションごとのギアの組み合わせ
初心者の方は自転車のスピードをもとに、ギアを選んでいくのが分かりやすくていいと思います。
スピードを測る方法には、自転車にセンサーを取り付けてサイコンで計測、スマホのGPS機能を使いアプリで表示させる、などがあります。
スピードによって使うギアを最初に決めて走ってると、感覚で変速するタイミングが分かってくるのでおすすめです。
下記におおまかな参考例として、シチュエーションごとの自転車のスピードとギアの組み合わせを紹介していきます。
ギア比によって変わるため、自転車によって下記の参考例とは多少の違いがあります。
ケイデンスを一定にして走れるように、ギアを変速していきましょう。
走りだし
スピード:0~15㎞/h
走りだしはフロントはインナーギア、リアはローギア寄りのギアで走りだしましょう。
スムーズな走りだしのため、ギアチェンジをしてから停車するようにしましょう。

平坦な道で低速巡行
スピード:15~25㎞/h
平坦な道で低速巡行(ゆるポタ、向かい風など)はフロントはインナーギア、リアはローギアとトップギアの中央付近を使います。

平坦な道での高速巡行
スピード:25~35km/h
平坦な道で高速巡行する場合は、フロントをアウターギア、リアはスプロケ中央からトップギアまでの範囲を使います。

上り坂
スピード:10~20㎞/h
上り坂は勾配によって変わりますが、フロントをインナーギア、リアはローギアからスプロケ中央付近までを使います。

チェーンのたすき掛けはやめよう


『チェーンのたすき掛け』というのは下図のような状態になっているチェーンのかかり方のことを言います。
フロント側インナーギア・リア側トップギア、もしくはフロント側アウターギア・リア側ローギアの状態です。
この状態はメリットがなく、デメリットがあります。
チェーンたすき掛けのデメリット
- チェーンの抵抗が大きくなり、パワーロスが増える
- チェーンの摩耗具合が早くなる
- チェーン落ちのリスクが上がる
チェーンは斜めに走るようにできていますが、抵抗が少ないのはまっすぐに走っている状態です。
また斜めの状態で走っていると『抵抗が増える=各部品が強くこすれている』ということですので、チェーンの摩耗が早くなります。
たすき掛けの状態(特にアウターロー)でギアチェンジをすると、フロント側でチェーンが脱落しやすくなります。
チェーンが脱落するとディレイラーやフレームの損傷につながりますので、たすき掛けは避けた方が無難です。
まとめ
今回は初心者の方向けにフロント・リアのギア組み合わせ方について解説してきました。
ギアの組み合わせ方がうまいと、疲れにくく速く走れて、自転車も長持ちします。
疲れてくるとギアチェンジがおろそかになってきますので、考えずに変速が行えるようになれば脱初心者に一歩近づきます。
どんどん変速して自分の身体にしみ込ませましょう!